【ブラックボックス】

テレビやコンピューターを作ることができなくても使い方を知っていれば情報を得て交信することができます。
テレビやコンピューターはブラックボックスです。
地上にあるすべての機械はブラックボックスです。
すべての機械を作ることができる人などいないでしょう。
作ることができなくても使い方を知れば、その利便性に預かれるのです。
すべての機械がブラックボックスであるという事実において、私たちは分かち合っているでしょう。
では、私たちを分かち合えなくし、戦わせ、競争し、対立させているのはいったいなぜでしょう。
私たちが生きるために必要であり、便利である機械、助けてくれる機械だけでなく、私たちを殺すための機械があります。
なぜ、機械は間違って作られ、使用されているのでしょうか。
それは、すべての機械を作ってきた道具がブラックボックスとして覆われているからではないですか?
それは思考です。
すべての機械は思考の産物です。
すべてのシステムは思考の産物です。
この社会機構は思考の産物です。
機械はブラックボックスであっても使用できます。
思考をブラックボックスのまま使用すれば何がおきますか?
人と人とが対立し、殺し合わねばならない戦争の根本因は思考の構造がブラックボックスであることではないですか?
思考は自ら考える中心を作ります。
一人一人の経験と知識の蓄積です。
この中心からの動きが思考に支配された動き、時間です。
中心からの動き(すなわち)時間は、
生きている動きとの断絶です。
中心からの動きは現実ではなく幻影です。
このこと自体が現実です。
人類の経験と知識、すべての人間の思考と時間が中心により誤作動するのです。
これは事実です。
私の経験、私の知識、私の考え、私の時間です。
人類の経験と知識と思考と時間が、
人類の記憶が、
ブラックボックスで覆われます。
私たちは道具の構造を明確にし、権威を持ち込まず、互いに自分自身から道具の全体性を、学ばねばなりません。
私たちは、
いっしょにつくり、
いっしょに考えていきます。
7月14日